「一本 線を引きにいらっしゃい」
僕にとっての墨象の世界の入り口すべてのはじまりは
この一言からだった。
失った声を探して長い長い旅の途中
まるで、通りすがりの誰かと挨拶をかわしたよう
なそんな出会い。
あれから、数年の月日が流れ
自分の想いを込めて、筆を下ろした初の作品
『絆』
自分の内側にあるエネルギーを一本の筆を通して
一気に、天空からおろす。
僕にとっての墨象の表現のイメージは
こんな感じだ。
まるで、魂のかたまりを
一枚の紙の上に一気に叩きつける感じ。
何もイメージのない真っさらな
一筆目の緊張感が、たまらなく好きなんだ。
瞬間が、言いようのない力を
僕のこの体中に集めてくれる
言葉は、色をもち、
言葉は、音をもち、
言葉は、感情をもつ
強さ、優しさ、激しさ、厳しさ
カタチの内側に存在する、エネルギー、衝動、感動
『森友嵐士 墨象の世界』
一本の線からのはじまり
森友嵐士